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ヨコハマトリエンナーレ2014 第一弾参加作家発表

By the editors of TECHNÉ, posted at 11:20 AM on December 26, 2013

(左から)高山明さん、上田假奈代さん、森村泰昌さん、グレゴール・シュナイダー、和田昌宏さん

2013年12月13日(金)、横浜美術館にて「ヨコハマトリエンナーレ2014」の第3回記者会見が行われ、計7組の第一弾参加作家が発表されました。

2001年に「新たな文化創造」を期して始まった横浜トリエンナーレは、これまで4回開催されています。第5回展となる「ヨコハマトリエンナーレ2014」は、美術家の森村泰昌さんをアーティスティック・ディレクターに迎え、これまでの実績を踏まえつつ、アートを通してこれからの時代に必要な新しい価値を追求し、世界とつながる回路を広げていくことを目指します。

この日発表された参加作家は、マイケル・ランディ、グレゴール・シュナイダー、メルヴィン・モティ、高山明さん、和田昌宏さん、やなぎみわさん、釜ケ崎芸術大学の計7組です。会見には森村泰昌さんと共に、グレゴール・シュナイダー、釜ケ崎芸術大学の上田假奈代さん、高山明さん、和田昌宏さんが参加し、自己紹介ならびに作品解説を行いました。下記はグレゴール・シュナイダーの記者会見での発言となります。

グレゴール・シュナイダーによる作品解説
「これまで日本ではワコウ・ワークス・オブ・アートにおける展示のみで、ほんの少ししか作品をお見せする機会がなかったのですが、今回ヨコハマトリエンナーレ2014で少し大きな作品を作る機会を得て、大変ありがたいと思っています。私は空間を作ることをテーマに作品作りをしています。壁の前に壁を作ったり、天井の下にもう一つの天井を作ったり、空間の中に空間を作ったり、空間の周りにもう一つ別の空間を作るような作品を作っています。私の代表作が《Haus u r》(家 u r)というものなのですが、私の家がある通りUnterheydener Str.と、生まれ故郷のRheydtのuとrを取っています。既に存在している家の機能や外観、構成を変えないまま、そこに作品を作っていきます。様々な空間、あるいは部屋を作品として示しています。例えば、寝室であるとかキッチンであるとか物置部屋であるとかダイニング・ルームなどです。部屋そのものが動いたり、壁が少しずつずれていったり、天井の傾きが少しずつ変化したりするのですが、そこでは特殊なモーターを使って、そこに居る人も気付かないスピードで空間が動いています。これをある種の総合芸術作品と呼んで良いかもしれません。つまりそこで試みているのは、生活するという事と作品を作るという事を一つに結びつけるという事です。私はとても長い時間をこの作業に費やしていて、私はこの家を実験室とも捉えています。人々は何を知覚出来るのか、何を認識出来るのか、そういった事を問い続けています。例えば、周りに鉛や緩衝材や防音材を流し込んで、完全に孤立した部屋も作っています。そして、既にあった空間と、私が手を加えた空間の差異が認識出来なくなっていくのです。この空間で仕事を続ければ続けるほど、私にとっても見知らぬもの、余所余所しいものになっていきます。こうした作業を始めた後、これらの様々な空間を解体して外に持ち出し、別の場所に再構成する事も始めました。空間の二重化、空間の反復化というのが私の長年のテーマになっています。
その後、各地へ旅をして作品を作るようになり、もう少し社会的、政治的なテーマを扱うようになってきました。そして、美術館での仕事が増える中で私が問いかけたのは、どの様に美術館に入り、どの様にそこから出ていくのかということです。また、美術館の空間をどのように新しく定義し直せるのか、そういった事が私の作品の新しいテーマになっていきました。ハンブルグ現代美術館では、一つの空間の中に24時間オープンしている別の空間を作り、外界の日常生活との境界が曖昧になる作品を作りました。ロサンゼルス現代美術館では、美術館に入るための開口部分(穴)を新たに作り、受付を通らなくても美術館に入れる作品を作りました。メンヒェングラートバッハ美術館では、黒いパイプを美術館に通すという事も行ってきました。こういった作品を横浜でどのように展開出来るのか、とても楽しみにしています。」

「ヨコハマトリエンナーレ2014」の会期は2014年8月1日(金)から11月3日(月・祝)まで開催されます。

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