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ヴォルフガング・ティルマンス「How does it feel?」

By the editors of TECHNÉ, posted at 11:41 AM on November 1, 2020

Clipped Tulip, 2020 © Wolfgang Tillmans, courtesy WAKO WORKS OF ART

2020年11月7日から、ワコウ・ワークス・オブ・アート(東京・六本木)にて、ヴォルフガング・ティルマンスの個展「How does it feel?」が開催されます。

ヴォルフガング・ティルマンスは、1968年にドイツのレムシャイトに生まれ、1992年に英国ボーンマス& プール・カレッジを卒業しました。その後ロンドン・ベルリン・NYを拠点としながら身近な友人たちやカルチャー・シーンをカメラに収め、その作品を戦略的にパープル紙やi-Dなどのファッション媒体に掲載しながら従来の写真界の価値体系に一石を投じて注目を浴びます。額装を用いずにプリントを直接壁に貼る展示方法や、多様なモチーフの大小様々な写真を同時に壁面に貼る独自のインスタレーション展示などで注目され2000年にターナー賞を受賞、一躍美術界の中心に躍り出ました。現在も現代社会の様々な側面を切り取りながら芸術が持ちうる可能性を追求し、近年は社会的なアクションや音楽活動にも注力しています。

今回、新型コロナウイルスの拡大リスクを鑑み来日を諦めたティルマンスは、展覧会タイトルを『How does it feel?』として、海を隔てた彼方から「どう感じる?」と語りかけています。ワコウ・ワークス・オブ・アートで6年前に開催された『Affinity』(親和性)から6年、人のつながりが分断されてしまった現在においてより一層他者の存在を意識したこのタイトルは、決して自らの殻に閉じこもることなく、絶えず人とつながろうとし、他者の存在とその視点を愛おしみ制作の糧としてきたティルマンスの本質=opennessをよく象徴しています。この開放性は作品の魅力とも直結しており、彼の写真は決して画面内で完結することなく、画面の外側、私たちが暮らすこの広大な世界そのものへと鑑賞者の意識を向かわせる力があります。

今回の展示のメインとなるのは、旧作から最新作までさまざまな時期に制作された写真作品と、その小ささと、写真作品とは異なるコンテンツが展示全体に軽快なリズムを与える雑誌のページです。写真作品のサイズは多様で、メディウムもCプリントとインクジェットプリントが混在し、額入り、額無しの両方で展開します。ポートレイト(セルフを含む)、風景、抽象、静物などの多様なモチーフがあり、それぞれの写真は一見ありふれた日常の一場面のようでありながら、すべてが不思議な、言葉では分析しきれない輝きを放っています。

「How does it feel?」の会期は2020年12月19日まで。オンラインからの事前予約制となっています。

【オンライン事前予約ページ】
https://airrsv.net/wakoworksofartthatday/calendar

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