アニッシュ・カプーアが権利を独占する塗料「ベンタブラック」対抗品がアップデート
2019年1月28日(現地時間)、クラウドファンディングのKickstarterにて、世界でもっとも黒い塗料と題した「BLACK 3.0」のプロジェクトがスタートしました。
「BLACK 3.0」は、イギリス人アーティストのスチュアート・センプルが開発した塗料です。スチュアート・センプルが塗料を開発する経緯は、インド生まれでロンドン在住のアーティスト、アニッシュ・カプーアが「ベンタブラック」の独占権を取得した事がキッカケとなります。
「ベンタブラック」は、2014年にSurrey Nano Systemsが初めて公開した完全な黒に近い塗料で、NASAのスーパーブラックと比較され、たちまち話題となりました。その後も改良を重ねた「ベンタブラック」ですが、2016年にアニッシュ・カプーアが独占権を取得します。
カプーアの独占権取得は、アーティストやメディアからも批判が起こりました。そして、その中の一人であるスチュアート・センプルは、自身が開発した「世界で最もピンク色のピンク」を、“アニッシュ・カプーアとその関係者は購入出来ない”と注意書きを載せて、ウェブ販売します。カプーアサイドは、弁護士が「カプーアの名を使った売名行為」とコメントを発表しましたが、カプーアは自身の公式インスタグラムにて、スチュアート・センプルの開発したピンクの塗料を中指に付けた画像を投稿し、応酬しました。
こういったやり取りを経て、スチュアート・センプルは「ベンタブラック」の対抗品として、「BLACK 2.0」を発表しました。そして、「BLACK 2.0」をアップデートした「BLACK 3.0」をKickstarterに公開しています。今回も、“アニッシュ・カプーアとその関係者は購入出来ない”と注意書きを添えています。
スチュアート・センプルは「もっとも黒い」と説明していますが、海外のメディアは、科学的な根拠として、「ベンタブラック」より劣っていると説明しています。「BLACK 3.0」のプロジェクトは、2019年2月上旬現在、支援可能となっています。
【The blackest black paint in the world! Black 3.0】
https://www.kickstarter.com/projects/culturehustle/the-blackest-black-paint-in-the-world-black-30/
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