Production IG 森下勝司さんが語る、アニメの「企画」について【AnimeJapan 2017】
2017年3月26日(日)、東京ビッグサイトにて、日本を代表するアニメ関連企業・団体や豪華声優陣が集まる世界最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2017」が開催されました。
本イベントのクリエイションエリアに配置されたセミナーステージでは、第一線で活躍するクリエイターから実践的な講義を受けられるワークショップ形式の「クリエイター体験講座」や、「進路相談ステージ」など、アニメ業界の彼是を垣間見ることの出来るステージが2日間に渡り展開されます。
3月26日、セミナーステージでは、12時05分から【アニメの「企画」について】と題し、クリエイター体験講座が開かれました。
講師に、「進撃の巨人」や「攻殻機動隊ARISE」シリーズなどで知られる株式会社シグナル・エムディ代表取締役社長兼株式会社プロダクション・アイジー取締役企画室担当の森下勝司さんを迎え、アニメづくりを中心に、映像制作物の「企画」について講義が行われました。
今回の議題でもある「企画」とは何か。森下さんは、自身の役割を「種」を作る仕事だと例えつつ、I.G におけるアニメ企画とは「ビジネス」を企画することだと言います。一般的に想像し得る「企画」とは違い、実際に作るものの内容だけではなく、資金調達や宣伝広告、どのような展開をしてどのようなビジネスパートナーと組むかなどビジネスまで含めた企画を考えることが重要だと語りました。
また、社内でのプロデューサーの役割や制作工程、日本のアニメーション業界で多く採用されている製作委員会方式についても言及しました。
次に、現在と今後のアニメーション業界の在り方において、国内では視聴者の趣味趣向が多様化しヒットが生まれにくい傾向にある中で、海外市場、特に近年でもアニメーション文化が盛んなアジア市場をターゲットとした作品制作も行っていく必要があると言います。日本では成立しづいコンテンツも海外からの出資で制作という事例もあります。
また、作画を中心とした独特な日本のアニメーション業界では海外スタッフが少なく、今後は今以上にアニメーション制作の「国際化」が求められるようになると語りました。その上で、海外と連携して制作していくには文化の違う制作環境の規格を揃えるためにも制作の「デジタル化」が重要だと語りました。
そして、今のアニメーション業界から考えるアニメ企画として、森下さんの関わる「シアトリカル・ライブ」という朗読劇を例に挙げ、ライブ感のあるものを展開していきたいと述べました。
アニメ企画は製作期間や膨大な資金が掛かるにも関わらず当たり外れが激しいという現状から、リスクヘッジの面でも「シアトリカル・ライブ」は、企画を生み出す1つの手法として漫画などと同じように試金石となり、またアニメーションはリアルにはならないが、声優やアーティストを通してリアルと融合していきたいと今後の展望を語りました。
最後に、業界を目指す受講者に向け、「夢や希望を持ち続けて欲しい、それが延いてはチャンスにも繋がってくる」と熱いメッセージを送りました。
現アニプレックスである株式会社SPE・ビジュアルワークスへの入社や I.Gと出会ったきっかけなど、幼少期から現在に至るまでを辿りながらアニメーションの企画について語られた本講座は、とても充実した内容でした。
森下勝司
2002年5月株式会社プロダクション・アイジー入社、同年6月企画室室長、2010年年8月取締役就任。
また2014年10月に設立されたグループ会社である「シグナル・エムディ」の代表取締役社長も兼任。
主な作品は、「進撃の巨人」、「攻殻機動隊ARISE」シリーズ、「黒子のバスケ」シリーズ、「ハイキュー!!」シリーズ、「CYBORG009 CALL OF JUSTICE」。
カンヌ国際映画祭にノミネートされた「イノセンス」では、アソシエイトプロデューサーとしてクレジットされている。
最新作は「ひるね姫~知らないワタシの物語~」「劇場版黒子のバスケ LAST GAME」「ATOM THE BEGINNING」そしてシアトリカル・ライブ第3弾「新・義経千本桜」。
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Information
AnimeJapan 2017
- 会期
- 2017年3月25日-26日
- 時間
- 10:00-17:00
- 会場
- 東京ビッグサイト
- 公式サイト
- www.anime-japan.jp
- 公式Twitter
- @animejapan_aj
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東京ビッグサイト
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