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アレハンドロ・ホドロフスキー、25年ぶりに来日。プレミア上映会や坐禅などのイベントも開催

By the editors of TECHNÉ, posted at 11:30 AM on May 2, 2014

アレハンドロ・ホドロフスキー監督の23年ぶりとなる新作「リアリティのダンス」が2014年7月に公開されます。公開にさきがけ、ホドロフスキー監督が25年ぶりに来日し、様々なイベントが開催されました。

2014年4月22日に開催されたプレミアム上映会のチケットは即完売するほどの人気でした。この日はプレミアム上映会の後にホドロフスキー監督が登壇し、監督の講演会に加えて、公開タロットリーディングも開催されました。会場のお客様の中から希望者を募り、実際に数名占ってもらうなど、監督とファンの交流が行われました。

来日記者会見

原作となったDUNEの感想と、サイエンス・フィクションを監督はどう考えていますか?

「私はサイエンス・フィクションがとても好きです。DUNEもそうですし…作れませんでしたけど…でもそれはコミックで実現しました。人が想像し得るものは、ある日現実となります。ですから私はSFが重要だと思っています。私達に未来への道を開いてくれます。(DUNEの感想は)読んだことがありません。すごく分厚かったので、読んでいません。映画を作りたかったので、流し読みをしただけです。20年経ってからゆっくり読みました。天才的な作品です。そして読まずに想像していたものがそこにありました。読まずに想像していたのですが、本当に似ていました。」

アラン・クレインは日本ではビートルズを解散させた人として評判が悪いですけど、彼とどんな事があったのか教えて頂けますか?

「もう解決しましたけど、非常に大きな問題になりました。エル・トポがアメリカでヒットしたので、アラン・クレインから『O嬢の物語』を映画化しないかと話しかけられました。私はアートの映画が作りたいのでと言って断りました。その時アラン・クレインが「これで何百万ドルも稼げるぞ」と言いました。目の前で20万ドル渡すから、すぐに始めてくれないかとも言われました。とても情熱的でした。やっていれば儲かっていたかもしれません。私は「15分考えるからちょっと待って下さい。」と言いました。そして、その場から逃げました。そのままアメリカ合衆国から出ていきました。ですから、とても怒ったと思います。そしてそのまま関係が終わりました。そして「エル・トポ」も「ホーリー・マウンテン」も上映出来なくなりました。でも私はビデオを持っていたんです。画質は良くないのですが、ビデオを作って色んな人に配りました。ロシア、フランス、世界中に送りました。そしてみんなが見た事で伝説となったのです。そしてある人がメキシコで完璧なネガが見つかったと報告がありました。そしてそれが1000ドルだったので、私は買いました。そして海賊版のDVDを作りました。アラン・クレインはそれを知りませんでした。そしてDVDを出した時にアラン・クレインは知りました。彼は800万ドルを請求してきましたが、私は800万ドル持っていなかったので、もう好きにして良いと彼に言いました。それを聞いた編集の友人は私を馬鹿だと言いました。君は設ける度にずっと取られていくぞ、と。だからちゃんと話しあったほうが良いと言ってくれました。そこで私は、アラン・クレインの息子に電話をしました。パーセンテージをしっかり決めようじゃないかと。私はお金は要らないし、私は自分の映画を色んな人に見て欲しい。だから、合意してくれるなら、私は無料で2本の映画をデジタライズすると言いました。そうしたら息子はアラン・クレインに会おうと言ってくれました。アラン・クレインは私を殺したかったと思います。しかし、扉を開けたらそこには白髪の紳士がいました。そして、お互い抱擁し、その抱擁は数秒でまた友人に戻った抱擁でした。私は彼をプロデューサーとして尊敬していたし、彼は私をクリエイターとして尊敬していました。今、サンタ・サングレはアラン・クレインの息子が配給をしています。私が言えるのは、戦争は終わらせる事が出来るという事です。」

元気の秘訣はなんですか?

「一度もタバコを吸った事がない。アルコールを飲まない。もうコーヒーも飲まない。赤い肉を食べない。そして、若い妻がいる。触れる度に私は若返ります。後は毎日制作をしています。毎日、詩も書いています。それが一番効果があることだと思います。」

100人坐禅大会

4月26日、世田谷区の龍雲寺にて「ホドロフスキーと100人坐禅大会」が開催されました。今回、1000人近い応募の中から選ばれた100人と坐禅会を行ったホドロフスキーは、メキシコで師事した日本人の禅僧・高田慧穣から「小鳥の自然な鳴き声こそが説法だ。」と教えを受けたエピソードを披露しました。そして「今日の世界で神とはお金です。しかし今持っていないものを欲しがる期待、持っているものを失いたくないという恐怖を持たないために、お金は必要な分を稼ぐだけで十分なのです。」と説きました。監督は続けて「ひとつの名前や年齢や国籍、古くて間違った偏見に閉じ込めてしまうことは、自分たちの住む地球を破壊します。」と述べ、最後に「慧可(えか)は達磨大師に弟子入りのために自らの腕を落とし悟りを開きました。私も常に両腕両足を落としたらどうなるか考え続けています。きっと私は笑ったまま頭を落とすでしょう。私にとって禅とはそういうものです。」と分かちあうことの大切さを語り、説法を締めくくりました。
映画『ホドロフスキーのDUNE』は2014年6月14日(土)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか、全国順次公開。映画『リアリティのダンス』は2014年7月12日(土)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷アップリンクほか、全国順次公開。

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