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第13回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展(2012)日本館展示記者発表レポート

By the editors of TECHNÉ, posted at 12:00 AM on November 26, 2011

2011年10月末、国際交流基金にて第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展のコミッショナー、ならびに参加作家が発表されました。

ビエンナーレは「二年に一度」を意味するイタリア語です。建築展は美術展と並びヴェネチア・ビエンナーレの中では独自の位置を占めており、近年は美術展と交互に隔年開催されています。日本は1991年からこの建築展に参加しています。歴代のコミッショナーには磯崎新氏、五十嵐太郎氏等がつとめ、前回の12回開催におきましては、妹島和代史が建築展の総合ディレクターをつとめました。

第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館コミッショナー指名コンペティションを実地し、5名の候補者すべてから東日本大震災とその復旧に関する企画が提出されたそうです。この度コミッショナーに就任した伊東豊雄氏から、展示プラン「ここに、建築は、可能か」が説明されました。

「ここに、建築は、可能か」ー 東日本大震災から数ヶ月が過ぎ、人々が瓦礫をかき分けて活動を再開しつつある背景から、日常のなかで忘れていた「建てること」「住むこと」の最も根源的な意味を感じ、建築家として自分が何が出来るのかという疑問を持ち、その疑問を追求するために「みんなの家」というプロジェクトを伊東豊雄氏は提唱しました。「みんなの家」は住まいを失った人々が暖をとり、飲み、食べ、語り合える憩いの空間です。それは「精神の安らぎを得る場所」でもあり「復興について語り合う拠点」でもあります。被災地で仮設住宅に住む人々と話し合いを続けながら、「みんなの家」第一号は2011年10月25日に完成しました。これから時間をかけ、参加している若い三人の建築家(藤本壮介氏、乾久美子史、平田晃久氏)とともに「みんなの家」の思考と議題のプロセスのすべてを、畠山直哉氏の撮影による復興ドキュメントの写真とともに展示して、ベニスに訪れる世界の建築家に「いま、建築とは何か」と問い考えたいと伊東豊雄氏はお話されました。

被災地の方と話し合いを重ねて誕生して生まれた「みんなの家」。被災地の方は伊東さんの手をとり、祝辞を述べたそうです。一年の議論の成果としてつくりあげた「みんなの家」は、ビエンナーレを契機にこれからも私たちに建築の未知への思考として提示されていきます。

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