黒川塾44「eスポーツとプロゲーマーの明日はどっちだ」開催
2017年1月13日、「eスポーツとプロゲーマーの明日はどっちだ」をテーマに、第44回の黒川塾が開催されました。
黒川塾はメディアコンテンツ研究家の黒川文雄さんが主宰し、今回で44回目を迎えました。この日も黒川さんがモデレーターを務め、筧誠一郎さん(日本eスポーツ協会事務局長)、馬場章さん(日本eスポーツ協会理事)、佐野真太郎さん(eスポーツキャスター)、中山大地さん(プロゲーマー)が登壇し、日本におけるeスポーツの現状と未来の展望について語られました。
筧さんはeスポーツにおけるビジネスの現状について「まだ投資段階ですね。海外の状況と日本の今の状況というのは、(日本が)だいたい10年遅れになっています。海外の10年前の状況が今の日本の状況なので、20年前からeスポーツというのは行われてきているけど、日本だけでなく世界的に見ても投資の部分が多いと思います。もちろん回収し始めている人もいるし、選手で年収何億円にもなっている人もいます。だけど、『アメリカの4大スポーツと比べたらどうなんだ?』というと規模は小さいです。ですが、今後4大スポーツ並になるだろうと思います。」と説明しました。4大スポーツ並みになるという理由についても、プレーヤー数の多さがサッカーやバスケットと較べても遜色ないくらい多い事を補足説明しました。
筧さんはeスポーツを「デジタル上の競技」と説明し、その中で過去はFPSが主流だったことを解説。また、eスポーツの盛り上がり事例としてサッカーゲームのFIFAを紹介し、FIFAシリーズを使用して開催される「FIFAインタラクティブワールドカップ」の勝者はFIFAバロンドール式典に招待されることや、パリ・サンジェルマンやシャルケといった代表的なサッカークラブも積極的にeスポーツに参加してる事例を紹介しました。
その他の事例として、海外のeスポーツ大会では、最大で賞金総額22億円の大会もあることが紹介されました。その他にも、NBAのチームが実際にeスポーツチームを持っているなど、eスポーツの未来に関して様々な先行投資が行われている事が紹介されました。また、筧さんは「15年前は世界中のゲームユーザーの6割くらいは日本のゲームをプレイしていた。今は1割もいないのではないか」と話し、格闘ゲームでは日本のゲームが利用されているものの、eスポーツの中で日本のゲームが取り残されている現状を解説しました。
議論は「今後日本でeスポーツが発展していくためには」という内容にも言及し、筧さんは、プレイヤーからお金を集めて賞金に使ってしまうと「賭博法」になること、ゲームソフトが販促として使われると「景品表示法」になること、プロゲーマーたちが主戦場としているゲームセンターにおける「風営法」の問題、この3つが大きなポイントになっていると話しました。
その他にも、プロゲーマーの年収や、プロゲーマーはモテるのかといった話題まで、幅広い内容で議論が盛り上がりました。黒川塾は、音楽、映画、ゲーム、ネット、ITなど、すべてのエンタテインメントの原点を見つめなおし、来るべき未来へのエンタテインメントのあるべき姿をポジティブに考える会として今後も開催されます。次回の黒川塾は、2017年2月3日(金)、レベルファイブの日野晃博さんをゲストとしてお招きし、「クロスメディア戦略進化論2017」をテーマに開催されます。
「クロスメディア戦略進化論2017」予約ページ
http://peatix.com/event/227831?lang=ja
黒川文雄さんTwitter
https://twitter.com/ku6kawa230