黒川塾 四十壱「バーチャルリアリティの未来へ 4 ~ あれから2年」開催

2016年10月28日(金)、都内にて、「バーチャルリアリティの未来へ 4 ~ あれから2年」をテーマに第41回目となる黒川塾が開催されました。

黒川塾はメディアコンテンツ研究家の黒川文雄さんが主宰する、様々なゲストをお招きして開催される勉強会です。この日も黒川さんがモデレーターを務め、近藤義仁さん(株式会社エクシヴィ)、小山順一朗さん(株式会社バンダイナムコエンターテインメント AM事業部 エグゼクティブプロデューサー)、原田勝弘さん(株式会社バンダイナムコエンターテインメント 第1事業本部 ゲームディレクター/チーフプロデューサー)、吉田修平さん(ソニー・インタラクティブエンタテインメント  ワールドワイド・スタジオ プレジデント)が登壇。2年前にVRをテーマに行ったセッション「黒川塾二十一(21)」から現在までの変化を中心に、VRのトークが展開されました。

トークのスタートは、PSVRが発売されたばかりの吉田さんから、PSVR発売後の反響について語られました。吉田さんは「どんな製品でもそうですが、発売後はなにが起きるか分からない。お客さんはVRに慣れていないこともあるし、社内全体で待機していた。しかし大きな問題は起きなかった。おかげ様ですごく評判が良いです」とコメント。また、小山さんが携わった「VR ZONE Project i Can」の紹介、原田さんが携わっているVR人気ソフト「サマーレッスン」、近藤さんからは開催されたばかりの「Oculus Connect 3」についての説明など、それぞれが携わっているVR事業についての話から、今後誕生するであろうAIを用いたVRの話や、「Oculus Connect 3」で発表された「Oculus Parties」を引用し、RICOH THETAのような360°カメラを用いて離れた場所でもその場にいるような体験ができる可能性など、VRの未来についてトークは進みました。

また、「VRの没入感」について話がおよび、原田さんいわく「肝試しと同じで前フリが必要。心霊スポットも、事前に前フリをしていれば怖さが増す。VRも似ている」と解説。小山さんも同調し、「VR ZONE Project i Can」でVRを体験したお客さんの動画を上映し、前フリをしている人としていない人の反応の違いを紹介しました。

その他にも、原田さんから「サマーレッスンはありがたいことに圧倒的一位の成績になっていて嬉しい。反響は3つあります。1つ目は事前情報がなくVRに感動する人、2つ目はサマーレッスンの前情報を得て感動する人、3つ目はVRの凄みは感じるものの既存のゲームと同じ扱いをする人」と解説。吉田さんからも「VRの体験はゲーム性は低くなる。Metacriticなどのレビューはゲーマー目線」と話し、VRソフトに関する「体験」と「ゲーム性」の違いについて話が進みました。

最後の質疑応答では、会場から「任天堂のソフトをPSVRで体験したい」という吉田さんへのリクエストが出るなど、最後まで大盛り上がりのなか幕を閉じました。黒川塾は、音楽、映画、ゲーム、ネット、ITなど、すべてのエンタテインメントの原点を見つめなおし、来るべき未来へのエンタテインメントのあるべき姿をポジティブに考える会として今後も開催されます。

黒川文雄さんTwitter
https://twitter.com/ku6kawa230

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