長谷川祐子さんも登壇したシンポジウム「芸術文化の創造と大学の未来」開催
2016年7月3日、東京藝術大学上野キャンパス奏楽堂にて、国際シンポジウム「芸術文化の創造と大学の未来」が開催されました。
東京藝術大学は2016年4月に、グローバル化戦略の核とするべく、大学院国際芸術創造研究科を設置しました。本研究科は、芸術創造の各分野を横断的に結びつけながら、国際的な視座に立った“創造”と“発信”を基軸とする教育・研究を展開していきます。今回のシンポジウムは、研究科の開設記念として開催されました。
シンポジウムには、吉見俊哉さん(東京大学大学院教授)、カン・ミュングさん(ソウル国立大学教授)、ジャスティン・ジェスティさん(ワシントン大学助教授)、ジャネット・ピライさん(インデペンデント・リサーチャー)、長谷川祐子さん(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授)、熊倉純子さん(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授)が登壇し、芸術人文系大学や学部の現状、海外の大学のグローバル化、NGOや地域コミュニケーションなどのアートプロジェクトへの取り組み、日本と海外の大学との共同研究の可能性について語られました。
長谷川祐子さんは「なぜグローバルなフィールドで活躍できるキュレーターがアジア、日本から現れにくいのか。それは理論という体系が欧米中心となって、欧米のレジームから逃れられない、ということではないかと思います。国際的な、グローバルな展覧会を依頼された時にどうすれば良いのか。それは、キュレーターのヴィジョンが明確であること、その方法論がユニークであること、そして身体性があるということ。つまり、その人の空間感覚、あるいは五感、あるいは感性といったものがキュレーションの空間をつくり、そういった全てに反映しています。」と語るなど、国際的なキュレーターに必要な要素を解説しました。
大学院国際芸術創造研究科は、今日のグローバル化とそれに伴った芸術と社会の変化に対応するために、芸術文化のさまざまな実践を横断的かつ有機的に結びつけながら、芸術と社会との新しい関係を提案する人材を育成することを目指しています。
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻
http://ga.geidai.ac.jp/