2012年10月26日(金)、東京都現代美術館(清澄白河)にて「アートと音楽-新たな共感覚をもとめて」の記者会見が行われました。
会見には本展覧会総合アドバイザーの坂本龍一さん、東京都現代美術館チーフ・キュレーターの長谷川祐子さんに加えて、本展に作品を出品したアーティストも参加しました。会見で長谷川祐子さんは「クラシックや現代音楽、テクノといった最先端の音楽に詳しい事に加え、現代の事柄に関して哲学的な思索を含めてご自身の作品に反映させている。そういった意味で、音楽の専門家、そしてアートに対して新しい視点を持たれた方としてお願いしました。」と、今回坂本龍一さんを招請した理由を述べました。
坂本龍一さんは「今回2つの新作を出してますが、高谷さんとの新作では、言葉による会話というものに着目しました。僕らも街で会話しているようでも、会話というのはとても難しくて、成立してるのかどうか分からない…そういったようなものをレーザーのテキストと、2台のピアノで表しました。」と、高谷史郎さんとの作品について語りました。
本展覧会では、アーティストや音楽家が、過去から現在までどのように音楽と視覚芸術との関係の探求を試みたか、その歴史的観点も紹介されます。カンディンスキーやクレーの絵画、ジョン・ケージや武満徹さんの図形楽譜などから汲み取る構成となっています。
夕刻に開催されたレセプションでも多くの方が訪れ、期待の高さが表れていました。水面に浮かぶ陶磁器の器が無秩序に音色を奏でるセレスト・ブルシエ=ムジュノの「クリナメン」や、フロリアン・ヘッカーの「3チャンネル・クロニクス〈17'24"〉」、池田亮司さんの「data.matrix [n°1-10]」など、展示部屋でじっと作品を眺めたくなる、興味深い作品が多数展示されています。
「アートと音楽-新たな共感覚をもとめて」の開催期間は2013年2月3日(日)まで。この機会に是非ご高覧下さい。
[出品作家] ※アルファベット順
セレスト・ブルシエ=ムジュノ
ジョン・ケージ
マノン・デ・ブール
フロリアン・ヘッカー
池田亮司
ワシリー・カンディンスキー
パウル・クレー
ウドムサック・クリサナミス
カールステン・ニコライ
大西景太
オノセイゲン+坂本龍一+高谷史郎
大友良英リミテッド・アンサンブルズ(大友良英、青山泰知、Sachiko M、堀尾寛太、毛利悠子)
クリスティーネ・エドルンド
坂本龍一+高谷史郎
ザ・サイン・ウェーブ・オーケストラ
武満徹
田中未知・高松次郎
バルトロメウス・トラウベック
ステファン・ヴィティエロ
八木良太