「Future Beauty 日本ファッションの未来性」プレスビューレポート

2012年7月27日(金)、東京都現代美術館(清澄白河)にて「Future Beauty 日本ファッションの未来性」の記者会見が行われました。

会見には京都服飾文化研究財団チーフ・キュレーターの深井晃子さん、本展展示デザインを担当した建築家の藤本壮介さん、東京都現代美術館チーフ・キュレーターの長谷川祐子さんが参加しました。会見の冒頭で深井晃子さんは「本展覧会では、1980年代前後に日本ファッションのアイデンティティが確立され、そこから現代に至るまでの流れを解き明かそうとした。日本ファッションは21世紀のファッションを示唆するものであったという事もあり、展覧会のタイトルはFuture Beautyを選びました」と、本展覧会のタイトルの説明から始まり、続けて「今、1980年代に生まれた若いデザイナーたちが活躍しています。日本ファッションのDNAを引き継ぐ若いデザイナーたちがどんな未来へ向かうのか…そういう二つの意味における未来性を問うのがこの展覧会の趣旨です」と、本展覧会の開催趣旨について説明しました。

藤本壮介さんは「ファッションの展示は独特な難しさがあるという事をここ2年くらいで感じています。ファッションが持っているオーラというものは大きいのですが、物は小さいので、そういったスケールのギャップをうまく使って、美術館のような大きな展示スペースでそのオーラを上手く引き延ばす面白さがあります。展示は『陰影礼賛』がテーマの80年代から、現代の展示までループで繋がる様な展示としました」と、展示デザインについて述べました。

長谷川祐子さんは「日本のファッションの未来が、どのような意味でのステートメントとなっていくのか。今回の展覧会がどのような議論の母体となってくれるのか。そういった事を現代美術館として望んでいます。そして日本だけではなく、中国、韓国、シンガポールでも新たなデザイナーが生まれています。そういった方々がこの展覧会を一種のツールとして見て頂ける事をお伝えしたい」と語りました。

本展覧会は、川久保玲さんと山本耀司さんが発表し、当時の西欧ファッションに風穴をあけてセンセーションを巻き起こした「黒の衝撃」を紹介する『陰影礼賛』をテーマとした展示から、『平面性』『伝統と革新』『日常にひそむ物語』の4つの構成となっています。

また、美術館エントランスには人気ブランドSOMARTA(ソマルタ)とマイクロコンパクトカー「smart(スマート)」によるコラボレーションモデル「SOMARTA × smart fortwo」が展示されています。「Future Beauty 日本ファッションの未来性」の開催期間は2012年10月8日(月・祝)まで。この機会に是非ご高覧下さい。

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