日本のアニメーション100周年プロジェクト始動【AnimeJapan 2016】
2016年3月26日 (土) 、東京ビッグサイトにて、日本を代表するアニメ関連企業・団体や豪華声優陣が集まる世界最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2016」が開催されました。
本イベントのメインエリアに配置されたクリエイションステージでは、第一線で活躍するクリエイターによる『クリエイター体験講座』と、アニメ業界の最新情報をお届けする『ビジネスセミナー』など、アニメ業界の彼是を垣間見ることの出来るステージが2日間に渡り展開されます。
3月26日、14時から【100年後にアニメを残そう! ~アニメ100周年プロジェクト始動~】と題してビジネスセミナーが行われました。
2017年、日本のアニメーションは東京・浅草で初めて劇場公開されてから100周年を迎えます。その節目を起点に、長期的視点に立ち、日本のアニメーション業界がオールジャパンとして一丸となり、次の100年を創る源泉となるよう発足したプロジェクトが「日本のアニメーション100周年プロジェクト」です。
本セミナーに登壇したのは、本プロジェクト推進会議座長であり株式会社アニプレックス代表取締役の植田益朗さん、推進会議副座長であり株式会社サンライズ代表取締役社長の宮河恭夫さん、同じく副座長であり日本アニメーション株式会社代表取締役社長の石川和子さん、推進会議委員であり株式会社トムス・エンタテインメント上席執行役員の吉田力雄さん、推進会議アドバイザーであり東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員 映画室長の とちぎあきら さん、そして、ゲストとして登場した アニメーション監督・マンガ家でタツノコプロ顧問を務める笹川ひろしさん。
日本のアニメーションは1920年代初頭に「漫画映画」と称されて以来、多様な創造力により制作されながら、表現・手法・技術・メディアなどの変化とともに進化を遂げ、今や日本を代表するコンテンツとして世界で高く評価されています。その結果、多くの日本のアニメファンやその担い手となるクリエイターを育てるまでに至り、就学・研究・ビジネス・観光あらゆる視点で、世界中から日本のアニメーションを目指す人々が後を絶ちません。
日本のアニメーションの100年の歴史の中で、現在判明している作品タイトル数はなんと 11,546件、制作作品数 156,937件、制作分数 33,527,530分にも登ります。
同プロジェクトは、2017年を皮切りに大きく3つのコンセプトで進めていくと植田座長は語りました。
まず1つ目は、「歴史を知り、積み重ねてきたものを系統化しアーカイブする」ことで、世界中からもアクセスしやすいゲートウェイを作るとのこと。これは、吉田委員が委員長を務める「日本のアニメーション大全」にも関わってきます。2つ目は、「人材の発掘と育成」です。具体的な方策としては、2017年夏に「日本のアニメーション・サマージャンボリー」という、100名程の小学生を対象にしたアニメ制作集中合宿を企画中とのことです。そして、3つ目は、題して「NEXT100」。これは、先端技術や食など様々な産業とコラボレーションしたり、国際巡回企画展やフェスティバル、企画上映会やセミナーカンファレンスなどのイベント等、アニメ作品だけでなく日本の優れた文化・技術・食を世界に、そして国内の地域活性化を図るなど国内外問わず様々な企画を展開していくことを目指しています。
これらはまだ検討中の案ですが、2020年に開催されるTOKYO2020オリンピック・パラリンピックに向け鋭意進行中とのことで、今後の展開が期待されます。
また、ゲストとして登場された笹川ひろしさんは、「100年先のアニメの世界を明るくしていって欲しい」と、駆け出しだった頃の自身のエピソードなども交えながら日本のアニメーションの未来について語っていました。
日本動画協会(AJA)から集まった企業で構成されるこの推進会議は、それだけでは成立せず現場や関係者そして多くの人・地域の協力が必要とのことで、これから積極的にアピールしていきたいとのことです。
公式サイト
http://anime100.jp/