2018年9月16日から、原美術館(東京・品川)にて、リー・キット「僕らはもっと繊細だった。」が開催されます。
リー・キットは、1978年香港生まれのアーティストです。2008年香港中文大学美術学部修士課程修了。台北を拠点に、アジア、アメリカ、ヨーロッパ各地で滞在制作を行い、美術館、ギャラリー、アートスペース等での発表を続けています。2013年ヴェネチアビエンナーレ香港代表。2016年には、ウォーカー アート センター(アメリカ、ミネアポリス)とS.M.A.K.(ベルギー、ゲント)において個展を同時開催。2017年にはパレ ド トーキョー(フランス、パリ)の「Sous le regard de machines pleines d’amour et de grâce」展に参加するなど、アジアのアートシーンで注目されているアーティストです。
リー・キットは近年、絵画やドローイング、プロジェクターの光や映像、さらには家具や日用品等を配置し、展示空間全体を淡い色調の絵画のように仕上げたインスタレーションに力を入れています。独特の歴史的背景を持って揺れ動く街・香港を出自とするリーは、アートという開かれた表現を通して自身のあり方を問い、自分が生きる今の世界と向かい合おうとしています。展覧会を開催する場合、その街、その場所の空気や感情に静かに寄り添い、サイトスペシフィックな作品(=特定の場所に存在するために制作すること)を創り上げるのも大きな特徴です。元は原家の私邸であり、第二次世界大戦を乗り越え、GHQから返還された後に美術館として40年の時を経ようとしている原美術館は、そのようなリーにとって、これ以上ない時空間であるといえます。リーがここで何を感じ、どのような“絵画”を描くのか、本展はリーの魅力が遺憾なく発揮される機会となります。
「僕らはもっと繊細だった。」の会期は、12月24日まで。