2016年5月28日(土)から、HAGIWARA PROJECTS(初台)にて、地主麻衣子さんの個展「新しい愛の体験」が開催されます。
地主さんは1984年、神奈川県生まれの作家です。2010年多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。多摩美術大学在学中はドローイングや小説を制作、のちに2010年より映像を撮り始め、現在は映像作品を中心に、ドローイング、小説、詩、時にインスタレーションやパフォーマンスを組み合わせるなど、様々な媒体で作品を発表しています。主な展覧会に「リターン・トゥ トーキョーワンダーサイト レジデンス 2015-2016」トーキョーワンダーサイト本郷(2016、東京)、「Zero Gravity 」 Matadero Madrid(2015、マドリード)、「わたしの穴美術の穴」スペース 23℃(2015、東京)、「おおきな口、ちいさな手 もしくは ちいさな口、大きな手」 Art Center Ongoing(2015、東京)、「仮想のコミュニティ・アジア - 黄金町バザール 2014」(2014、神奈川)、「肥えた大地」 アキバタマビ 21(2011、東京)などがあります。
「新たな文学を生み出す」という地主さんは、近年は公開撮影という方法を取り、映像作品が持つ可能性を広げています。今回展示される作品は、タイのチェンマイに滞在中、屋外の一角に白いタイルを並べてステージを設置し、そこで撮影されたものです。タイ人の知人女性に素足で立ってもらい、カメラを通して対話をします。日本人とタイ人、お互い政治的に複雑な状況に置かれている国であることを踏まえつつも、地主さんはあえて抽象的な「愛」をテーマに質問を投げかけていきます。二人の対話は複数のカメラで記録され、パフォーマンス的要素を含むドキュメンタリーになっていますが、個人の深淵から紡がれる言葉と詩的で幻想的な光景からなる映像は、観終わったあとに一つの物語を読み切ったような不思議な高揚感を与えます。
会期は6月25日(土)まで。この機会に是非ご高覧ください。