2016年4月23日(土)から、オオタファインアーツ(六本木)にて、シンガポールを代表する作家ザイ・クーニンの個展が開催されます。
ザイ・クーニンは1964年シンガポール生まれ、同地在住の作家です。彫刻を学んだのち、ドローイングやインスタレーション、パフォーマンスなど多岐にわたるメディアを用いた表現活動を行っています。近年の主なグループ展に「誰が世界を翻訳するのか」(金沢21世紀美術館、2015年)、「Welcome to the Jungle 熱々!東南アジアの現代美術」(横浜美術館、2013年)、また「第3回シンガポール・ビエンナーレ」、「第2回アジア・パシフィック・トリエンナーレ」など、多数の国際展に参加しています。
本展は、黒潮を意味する「オンバ・ヒタム」と題され、多様な黒を描いた新作ドローイングを中心に構成されています。水をたっぷりと含んだインクで描かれた作品《Ruang yang tersembunyi - Hidden space in solitary》は、大小の黒いフォルムが重なりあい、繊細な濃淡の動きを内包しながら一つのまとまりを成します。ともに大小の島々から成り、様々な形で海との結びつきのもとに人々が暮らすリアウと日本。その間を流れ、多くの文化を運び伝えてきた黒潮への作家の思いが多層的な表現を生み出しています。
ザイ・クーニンの個展は日本で初開催となります。この機会に是非ご高覧ください。