ゲルハルト・リヒター「Painting」開催

2015年11月10(火)から、ワコウ・ワークス・オブ・アート(六本木)にて、ゲルハルト・リヒターの個展「Painting」が開催されます。

ゲルハルト・リヒターは1932年ドレスデン(旧東ドイツ)生まれの作家です。リヒターは東ドイツで美術教育を受けましたが、西ドイツ旅行中に出会った抽象表現主義に強い影響を受け、ベルリンの壁ができる半年前にデュッセルドルフへ移住。1964年にミュンヘンとデュッセルドルフで初の個展を開催し、1972年のヴェネチア・ビエンナーレを皮切りに、ドクメンタ(5、7、8、9、10)等、多数の国際展に参加。1997年、第47回ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞を受賞。同年、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。日本では、2005年に金沢21世紀美術館と川村記念美術館で初の回顧展を開催。近年では、2011年から2012年にかけ、ロンドン、ベルリン、パリで大回顧展を開催。2013年、ミュンヘンのレンバッハハウスで「アトラス」展開催。2014年、スイスのバイエラー財団美術館の個展ではみずからが展示構成をおこない、高い評価を受けました。2015年、初のパーマネントスペースが愛媛県にある豊島にオープンします。

リヒター自ら「Painting」と名付けた本展では、世界初公開となる最新の油彩画が8点展示されます。さらに、2010年に制作を開始したガラスにラッカーで描いたシリーズ《アラジン》から日本未公開の5点と、さまざまなスナップショット的な写真の上に油彩やエナメルで描く「オーバー・ペインテッド・フォト」と呼ばれる手法による作品も多数展示されます。「オーバー・ペインテッド・フォト」は、絵画と写真の間を行き来しつつ、絵画とは、絵画性とは、写真性とは何かという考察を続けてきたリヒターのエッセンスが凝縮されたシリーズとして、常に重視されてきました。日本の瀬戸内海を訪れた際の写真を使った作品も展示されます。

世界で最も重要な画家の一人といわれるゲルハルト・リヒター。ワコウ・ワークス・オブ・アートでの個展は3年ぶり9度目となりますが、油彩画の最新作の公開は、2005年以来、10年ぶりとなります。この機会に是非ご高覧ください。

この記事を詳しく読む