2015年5月22日(金)から、タカ・イシイギャラリー東京にて、トーマス・デマンドの個展「Model Studies(Kōtō-ku)」が開催されています。タカ・イシイギャラリー東京は清澄白河から北参道に拠点を移し、新しいギャラリースペースとしてのオープニング展となります。
トーマス・デマンドは1964年、ミュンヘン生まれの作家です。被写体となる状況を自ら制作して撮影する構成写真で知られる、ドイツ現代美術界を代表する作家の一人です。デマンドは主に政治的、社会的事件が起きた現場の風景を、写真をもとに厚紙で精巧に再現し、それを撮影します。近年の主な個展として、ロサンゼルス・カウンティ美術館(2014年)、東京都現代美術館(2012年)、新ナショナル・ギャラリー(ベルリン、2009年)、CCA 北九州(2008年)、プラダ財団(ヴェネチア、2007年)、サーペンタイン・ギャラリー(ロンドン、2006年)、ニューヨーク近代美術館(2005年)、サンパウロ・ビエンナーレ(2004年、ドイツ館代表)、カルティエ現代美術財団(パリ、2000年)、主なグループ展としてヴェネチア国際建築展(2010年、2008年)、「ヴィデオを待ちながら:映像、60年代から今日へ」 国立近代美術館(東京、2009年)、光州ビエンナーレ(2008 年)、「ドイツ写真の現在 - かわりゆく「現実」と向かいあうために」 国立近代美術館(東京、2005年)、ヴェネチア国際美術展(2003年)などが挙げられます。
本展では、日本人建築家ユニットSANAAの建築模型を被写体とした「Model Studies」シリーズ最新写真作品約8点が展示されます。2011年に発表された「Model Studies」は、デマンドがロサンゼルスのゲッティ・リサーチ・インスティテュートで米国人建築家ジョン・ロートナー(1911-1994年)の建築模型に出会ったことを機に制作されました。同作品はデマンドが自分以外の他者の模型を撮影した初めての作品で、自身にとってイメージと並び重要な「模型」に思考軸が置かれています。2013年よりデマンドは、東京・江東区にあるSANAAの事務所を数回訪れ、そこで生まれる様々なアイデアを形にしたいくつもの建築模型を撮影しました。
トーマス・デマンドのタカ・イシイギャラリーでの個展は、8年ぶり3度目となります。会期は6月27日(土)まで。この機会に是非ご高覧ください。