2014年11月14日(金)から12月20日(土)まで、SCAI THE BATHHOUSEにて、ジュリアン・オピーの個展「Street Portraits」が開催されています。
ジュリアン・オピーは1958年、ロンドン生まれの作家です。1980年代初期に若いアーティストとしてその芸術活動をスタートしたオピーは、ヨーロッパの主要な美術館やギャラリーの展覧会に参加し、高い評価を得ました。2000年に発表されたイギリスのロックバンド、Blurのアルバムジャケットデザインを手がけるほか、電通本社の「歩く人」の彫刻、2008年の水戸芸術館での大規模な個展などを通してオピー作品は日本のファンにも広く知られています。オピーはコンセプチュアリズム、ポップ、ミニマリズムと、主要な美術概念や様式を吸収しながら、自らのスタイルを生み出しています。作品はロンドンのテート・モダン、ニューヨークMOMA、日本の東京国立近代美術館など、世界中の主要な美術館に所蔵されています。
「Street Portraits 」と題された今回の個展では、自身の住むロンドンの雑踏の光景だけでなく、東京の賑わうストリートで無作為に撮影された人々の顔を題材に新たなポートレイトのシリーズが展開されます。絵画作品だけではなく、彫刻作品、映像作品も展示されます。今回の個展の新作についてオピーは以下のように説明しています。
「制作スタジオから外界を見渡して、いま世界がいったいどんな気分なのかを描写する現代の言語を探しています。これらの作品は、ロンドンと東京、二都市の街頭で集めたイメージを、LEDやビニール、アクリルをなど商業的なメインストリートでみられる画像生成技術と組み合わせて作りました。それは、原始時代から行われてきた人間の描写方法 —顔のイメージを一瞬とめて記録するポートレイト(肖像画)— を、刻石やモザイク画、油彩ではなく現在の素材をつかって、そして象形文字からオールド・マスター、浮世絵、マンガまでに至るアート言語から抽出したかたちなのです。」
SCAI THE BATHHOUSEでは4度目となるオピーの個展、この機会に是非ご高覧下さい。