2014年10月25日(土)から、ハギワラプロジェクツ(初台)にて、ニューヨークを拠点に制作するペインター、ザック・プレコップの個展が開催されます。
ザック・プレコップは1979年生まれ、ブルックリン在住の作家です。Art Basel StatementやMOMA PS1、 その他にも2013年Walker Art Centerで開催された「Painter, Painter」展など、数多くの展覧会に参加しています。2014年7月にハギワラプロジェクツで開催されたグループ展「paintings」でも作品を展示しています。
プレコップの作品は、引き裂いた紙を下絵として“破く”行為の痕跡を描き、そこに鋭角なグリッド線や細密なドットを重ねることで、運動と秩序が混在する表情豊かな画面を生み出します。また別の作品では、淡い色が何層にも塗られた画面の裏側にも色が置かれ、イメージと半透明の物質としてのキャンバスを交互に意識させます。最小限の色数で構成されたシンプルな色合いと、パレットナイフの平坦な筆致という限られた要素で作品を描いているにも関わらず、複雑に絡んだ平面のレイヤーによって生まれる深度が、鑑賞者の意識を矩形の中へと惹きこみます。「絵画を観るということは、作家の中でどのような気づきと判断が起こったのかを手繰る経験だ」とプレコップは言うように、不調和性や身体性を感じさせながら、どこか抑制されているような静謐さを漂わせる画面は、世界を静観する作家の内省へと想像を促します。
ザック・プレコップの日本初個展、この機会に是非ご高覧下さい。