ミヒャエル・ボレマンス「Girl with Hands」

ギャラリー小柳にて、2014年1月11日(土)から3月1日(土)まで、ミヒャエル・ボレマンスの個展「Girl with Hands」が開催されます。

ミヒャエル・ボレマンス(Michaël Borremans)は1963年、ベルギー中西部のヘラールツベルヘン生まれの作家で、現在はゲントで制作活動を行っています。90年代半ばより、写真による表現から油彩へと転向。以来、国内外の先鋭的な美術館やアートスペースで個展を開催し、ベルリン・ビエンナーレ(2005年)等の国際展にも参加しています。ボレマンスの描く作品は5号程度のキャンバスサイズが多く、下地には白ではなくベージュ等を利用します。一見わかりやすい絵画でありながら、イメージは巧妙に論理化を避け、謎めいています。近年は絵画と連動する映像作品も手掛けています。2010年夏にはベルギー王妃の依頼を受け、王宮に展示するための作品を制作して一般公開されました。日本では、個展「Earthlight Room」をギャラリー小柳にて開催(2008年)し、横浜トリエンナーレ(2011年)にも出品しています。また、国立国際美術館に絵画が2点収蔵されています。

ギャラリー小柳での二回目の個展となる今回の展覧会「Girl with Hands」では、ボレマンスが初めて単一モチーフの連作だけで構成する野心的な展示を行います。意味のない手作業に没頭する少女の8枚のペインティング。それらは単にポーズがそれぞれ違うだけでなく、描き方や筆致、光の具合、時間の流れ、少女の存在感から鑑賞者との心理的な距離まで、驚くべき豊かなヴァリエーションを生み出しています。さらに、同じテーマによる新作の映像作品も加えられ、深く静かなボレマンスの創作世界が完成します。

同じく2014年1月11日(土)から、ボレマンスのアジア初の美術館での個展が原美術館(東京・品川)で開催されます。原美術館の展覧会では、完成作の少ないボレマンスの主要な作品30点余りを展覧するまたとない機会となります。同時開催されるボレマンス展、この機会に是非ご高覧下さい。

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