ヒュー・スコット=ダグラス 個展『A Broken Mule』

2014年1月16日(木)から2月14日(金)まで、カイカイキキギャラリー(東京・麻布)にてヒュー・スコット=ダグラスの個展『A Broken Mule』が開催されます。

ヒュー・スコット=ダグラスは1988年、イギリス・ケンブリッジ生まれの作家です。オンタリオ州立芸術大学(OCAD)にてスカルプチャーの美術学士号を取得。Blum&Poe(ロサンゼルス)およびSilverman Gallery(サンフランシスコ)で個展を開催し、カナダ現代アート美術館(トロント)などでグループ展に参加しています。作品は、ダラス美術館(テキサス)をはじめ、複数のパブリックコレクションに収められています。コンテンポラリーアートギャラリー「Tomorrow」(トロント)の創立ディレクター(現在はクリエイティブ・コンサルタント)であり、出版プロジェクト「Yesterday」も運営。欧米メディアでは新進アーティストとして注目されています。

本展は、ヒュー・スコット=ダグラスの日本およびアジア初の個展となります。タイトルの『A Broken Mule』は『壊れたラバ』という意味です。ラバは日本ではあまり一般的な動物ではありませんが、雄ロバと雌馬の交配により産まれる家畜で、馬のように高い地位や取引上の価値を持たない一方、ロバが持つ経済性と使い勝手を備えた生き物です。今回の展覧会では、ラバのように1つの価値の側面であった「生産性を上げるためのツール」という本来の価値を発揮できないようにしてしまった場合、どういった現象が起き、新しい価値が生まれるのかというメッセージが込められています。異なる要素を掛け合わせることが今回の共通したテーマのひとつとなっています。出展作品は主に2つの種類にわかれ、1つは、スクリーントーンを使って生み出されるイメージを、直接木のパネルに印字した作品。もう1つは、使用済みの切手やデジタル素材を印字した木をばらばらに解体し、組み直すという立体作品。パネル作品で使われるスクリーントーンをラバに置き換えかえた場合、どういった新しい価値が生まれるのか、一例として展示されます。

弱冠25歳ながら、デビュー以降欧米のアートメディアが新進アーティストとして注目するヒュー・スコット=ダグラスの新作展。この機会に是非ご高覧下さい。

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