タカ・イシイギャラリー(清澄)にて、2013年8月20日(火)から9月7日(土)まで、畠山直哉さんの個展「BLAST」が開催されます。
畠山さんは1958年、岩手県陸前高田市生まれの作家です。自然・都市・写真のかかわり合いに主眼をおいた、一連の作品を制作し、国内外の数々の個展・グループ展に参加しています。作品は、国立国際美術館(大阪)、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、ヒューストン美術館、イェール大学アートギャラリー(ニューヘブン)、スイス写真財団(ヴィンタートゥーア)、ヨーロッパ写真館(パリ)、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館(ロンドン)などのパブリック・コレクションに収蔵されています。
畠山さんの代表作の一つである「Blast」は、これまでも美術館での展覧会などで度々紹介されてきましたが、本展では、未発表作品を含む新たなセレクションのもと展示が構成されます。「Blast」は1995年に撮影が開始され、「アナザー・リアリティー‐現代写真の動向」展(川崎市市民ミュージアム、1995年)にて展示されて以来、国内外の多くの展覧会で発表される傍ら、撮影が続けられてきました。私たちが築き上げてきた都市や自然、そしてそれらを形作る概念を精緻に検証し、時にはそれらを詩的に展開させるような作品を発表してきた畠山さんにとって、爆破する岩石の飛散方向を正確に占う発破技師とともに行われる「Blast」の撮影は、写真の魅力をその技術の根本にまで立ち返りつつ再考させるような、掛け替えのないものであったと言えます。2011年3月11日に発生した東日本大震災は畠山さんに重大な影響を与え、写真を制作していくことにも従来とは異なる態度で臨まざるをえないような状況をもたらしました。この状況の中で「Blast」をまとめ上げるという行為には、今後長い時間をかけて検証されるべき重要な意義が孕まれていると言えるでしょう。
なお、本展に合わせて、2011年秋に東京都写真美術館にて開催され、その後ハウス・マルセイユ写真財団(アムステルダム)、サンフランシスコ近代美術館に巡回した大規模な個展「Natural Stories」にて発表された映像作品「TWENTY-FOUR BLASTS 2011」も、エディション作品として制作されます。また、待望の作品集『BLAST』(小学館刊)も今夏刊行予定です。この機会に是非ご高覧下さい。
畠山直哉 「BLAST」
会期:2013年8月20日(火)- 9月7日(土)
オープニング・レセプション:8月20日 18:00 - 20:00
タカ・イシイギャラリー(東京・清澄)
東京都江東区清澄1-3-2 5F
営業時間:12:00 - 19:00
定休日:日・月・祝祭日
http://www.takaishiigallery.com/