ワコウ・ワークス・オブ・アート(六本木)にて、2013年3月23日(土)から2013年5月2日(木)まで、リュック・タイマンスの7年ぶり4度目の個展が開催されます。
リュック・タイマンスは1958年ベルギー生まれ、アントワープ在住の作家です。ゲルハルト・リヒター以降の最重要画家の一人と称され、92年のドクメンタ9で大きな注目を集め、その後、ヨーロッパ、アメリカを中心に数多くの展覧会で紹介されています。
「The Spill」と題された今回の新作展では、コマ送りのように次第に傾き、中身を徐々に流出させていくティーカップを描いた三点組の作品の他に、最終的には全壊したシカゴの集団住宅の模型を描いた《Model》、人形の頭部を描いた《Head》が展示されます。
いずれの新作も、現代を代表する画家であるリュック・タイマンスの、これまでの多くの作品に見られた要素を通奏低音として備えながら、それらにクロスするように吹きこまれた新たな謎が、作家の次の方向性について、見る者に想像を強いるものとなっています。
今展覧会の開催に合わせ、ワコウ・ワークス・オブ・アートが発行するテキストシリーズの最新刊『流出』も刊行されます。深層意識に時間をかけてゆっくりと染み入り、記憶を揺さぶり、イメージの痕跡を刻むリュック・タイマンス作品の新たな展開を、この機会にぜひご高覧下さい。