2012年6月16日(土)より、WAKO WORKS OF ART(六本木)にて、マイク・ケリーのヴィデオ作品展が開催されます。マイク・ケリーは今年の1月31日、ロサンゼルス近郊の自宅で突然死去しました。57歳でした。
マイク・ケリーはその影響力の大きさ、そして作品点数の多さでよく知られたアーティストでした。1954年、ミシガン州デトロイトで生まれた彼は、ミシガン大学でBFA(美術学士)を取得し、カリフォルニア芸術大学でMFA(美術修士)を取得しました。サブカルチャー、神話や哲学、記憶の共有や抑制、アメリカ中西部の労働者たちのメンタリティとその凡庸さなど、彼の関心の対象はきわめて広範囲にわたり、それらは作品に反映されてきました。ドローイング、ぬいぐるみを使った彫刻作品、通っていた学校を再現した大規模インスタレーション、彼が集めたこまごまとした物品を使った展示、ノイズ・ミュージックや儀式めいた演劇などのパフォーマンス、そして批評家としての活動など、すべては複雑な相関関係を持っていました。その実績、そして他のアーティスト達とのコラボレーションによって広く知られるようになったマイク・ケリーは、さまざまなジャンルからのフォロワーを数多く生むことになりました。
今回の「ヴィデオ」では、これまで日本でほとんど紹介される機会が無かった映像作品が展示されます。彼だけが出演する唯一の映像作品"The Banana Man(1983)"、ブルース & ノーマン・ヨネモトとのコラボレーションによる"Kappa"(1986)、スーパーマンに扮した男が作家/詩人シルヴィア・プ ラスの文を語り聞かせる"Superman Recites Selections from 'The Bell Jar' and Other Works by Sylvia Plath" (1999)、また、"Extracurricular Activity Projective Reconstruction"シリーズは本来、映像とインスタレーションによる大型作品ですが、このシリーズから、高校のイヤー・ブックの写真を使ってシナリオを構築した"Day is Done"(#2-32)、そして"Judson Church Horse Dance and The Offer"(#33)が展示されます。さらに、マイケル・スミスと組んだ"A Voyage of Growth and Discovery"、そしてポール・マッカーシー、中原昌也とおこなったパフォーマンスを記録した"10:30PM, August 14, 2008"も展示されます。
本展覧会は、マイク・ケリーへの追悼の意を込めて開催されます。会期は6月16日(土) から 7月14日(土)まで。この機会に是非ご高覧下さい。
【作家紹介】
マイク・ケリー(1954-2012)
954年、ミシガン州デトロイト生まれ。ミシガン大学でBFA(美術学士)を取得、カリフォルニア芸術大学でMFA(美術修士)を取得。ホイットニー・ビエンナーレ(1985,1987,1989,1991,1993,1995,2002,2012)、ミュンスター彫刻プロジェクト (2007)、横浜トリエンナーレ(2008,2011)等、多数のグループショウに参加。また個展では、ニューヨークのホイットニー美術館 (1993)、ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)(1993)、ミュンヘンのハウス・デア・クンスト(1995)で開催された "Catholic Tastes"、テート・リバプール(2004)、ブリュッセルのウィールズ現代美術センター(2008)で開催された"Uncanny"等がある。 2012年12月には、オランダのアムステルダム市立近代美術館にて大規模な回顧展が開催され、巡回展となる予定。
ワコウ・ワークス・オブ・アート
tel: 03-6447-1820
web: http://www.wako-art.jp/top.php
[住所]東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル3F
(都営大江戸線/東京メトロ日比谷線 六本木駅 3番出口徒歩3分)
会 期:2012年6月16日(土) - 7月14日(土) 11:00 - 19:00 日・月・祝休み