2011年11月26日から12月24日まで、六本木のタカ・イシイギャラリー フォトグラフィ―/フィルムにてラリー・クラーク個展が開催されます。タカ・イシイギャラリーでの4回目の個展となる本展では、1963年のヴィンテージ・プリント約10点と1968年制作のフィルム作品「タルサ」が展示・上映されます。
潜在的にすごいパワーをもってるものを撮影する時、たいていのやつはどうそれを扱っていいか分からないんだ。よくあることだけど、写真家は人に迷惑をかけてるような連中を撮る時は、そいつらが最悪な感じに見えるように撮るのさ。するとその写真を見る連中は、これは自分たちとは関係のないことだって納得するわけだろう。俺の場合は、撮影した連中をいつだって一人の人間として描写してるから、俺の写真を見る人も彼らが何をやっているのかとは関係なしに見ることができるんだ。
Kristine Mckenna, “Larry Clark’s Pictures of Survival,” Los Angeles Times, November 4, 1990 『デジャ=ヴュ』フォトプラネット、1993年7月号(第13号)、p. 67掲載 翻訳文より抜粋
1943年米国オクラホマ州タルサに生まれたラリー・クラークは、写真学校を卒業後63年から71年にかけて、性行為・薬物・暴力に溺れる故郷タルサの友人達の日常を写真に収め、作品集『タルサ』(1971年)を出版。以来、『ティーンエイジ・ラスト』(1983年)など、一貫して衝動的な欲求に身を任せ、自滅的な行為に明け暮れるティーンエイジャーを共感溢れる視点から撮影した作品を発表してきました。
クラークはまた、物語(コンテンツ)を伝える別のメディアとして、80年代後半から90年代にかけて映像作品も手掛けており、1995年には初の監督映画『キッズ』を発表。その後も『ブリー』(2001年)、『ケン・パーク』(2003年)など、意欲的に映画作品を制作しています。
今回、クラークが1963年にタルサにて撮影したヴィンテージ・プリント約10点の展示に加え、昨年開催されたパリ市立近代美術館での回顧展において初公開された1968年制作のフィルム作品「タルサ」が上映されます。