森山大道個展「東京・網目の世界」

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィ―/フィルムにて、6月4日(土)から7月2日(土)まで、森山大道個展「東京・網目の世界」が開催されます。

『1970年代とは、テレビが普及し、素人写真が大衆化して写真を撮らない人(文盲!)がいない世界が出現した時代であり、マスメディアが一斉にビジュアル化して、映像の氾濫のなかで視覚表現の環境が激変した時期であった。それは、非人称的なまなざしとしてのカメラアイの散逸であり、「網目の世界」、ピクセルの世界の全面化である。そのプロセスの中で写真は変質した。』

清水 穣「新宿、インデックス」『DAIDO MORIYAMA THE COMPLETE WORKS VOL. 4』、大和ラヂヱーター製作所、2004 年、p.380

新聞・雑誌・ポスター等の媒体に写真やイラスト画像を印刷する際、極めて小さな網点の大小(網目)によってその階調を表現する技術を網点印刷と呼びます。イメージ(写真・映像)が大量に複製・消費され始めた1970年代は、まさに「網目の世界」の幕開けでした。本個展では、1977年7月に開催された森山の個展「東京・網目の世界」(ニコンサロン、銀座/新宿/大阪)にて発表された作品11点(すべてヴィンテージ・プリント)と、近年東京にて撮影した新作1点が展示されます。

虚像であるイメージの世界と現実世界が倒錯する森山の作品をこの機会に是非ご高覧ください。

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